蛇口をひねれば水が飲めること。道が舗装されていること。電車ですぐに移動できること。そのひとつひとつが、会ったこともない誰か——その多くは、もう会うことのできない方々の積み重ねによって、できています。
モノやサービスが溢れ、AIが急速に発達する時代。ないものに目を向ければきりがありません。しかし、今ある当たり前に目を向けたとき、自分がいかに多くの人に支えられているかに気づきました。頭では分かっていたはずのこの事実を、初めて身をもって実感したこと。それが、私の創業の原体験です。
では、この感覚を、どうすれば持ち続けられるのか。「感謝しよう」と意識しても、その気持ちは長くは続きません。ですが「これは、そもそもどうやって成り立っているのだろう」と、その成り立ちを知ってしまうと、感謝のほうが、勝手に湧いてくる。感謝とは、命令ではなく、発見から生まれるものなのだと思います。
受け継いだものへの敬意が深まったとき、人は誰かに言われるからではなく、自らの意思で、誰かのために動きはじめる。それは特別な才能ではなく、誰の中にもある力——「思いやり」なのではないか。
この問いに答えを出すために、私はトリデアを立ち上げました。
受け継いできたものへの敬意は、一人の心のなかだけの話ではありません。人が集まる場所——会社にも、社会にも、同じことが起きると信じています。自らが受け継いだものに気づいたとき、そこには、誰かのために動きたくなる力が芽生えていく。
「思いやり」が、人と組織の最大の力として発揮され、幸せが広がり続ける社会を、皆さんとともに創り続けてまいります。
株式会社トリデア 代表取締役 松岡英寿